「ストーリーテリングブランドのWattpadが扱うのは、エンターテインメント業界の核とも呼べる“人々を夢中にさせるオリジナルストーリー”だ。
業界全体を動かす唯一のもの、すなわちストーリー以外のものは扱わない」と、Wattpad創設者の一人で同社CEOのアレン・ ラウ氏は語る。
オンラインプラットフォームのWattpadは、この10年で世界中の熱心なユーザー4500万人を取り込んできた。これだけの数のユーザーが、約50の言語でアップされた3億もの小説を読んだりシェアしたりしている。 そこで費やされる時間は毎月150億分にも上り、トラフィックの90%は、モバイルデバイスからによるものだ。
ラウ氏によれば、10年前の創設したばかりのWattpadが目指していたのは、「世界中の人々にそれまでとは違った方法でストーリーを体験してもらうこと」であった。
現在では、Wattpadから生まれたストーリーがgifファイルやビデオクリップなど様々なフォーマット で、映画や連続テレビドラマなどあらゆるスク リーンで展開されている。Wattpadの作品にはどれもその愛好家(ファン)機能があり、自由に感想を書き込むことができる。こうしたデータからは作品の中でファンが最も気に入ったセリフも分かるため、映画化やテレビシリーズ化される際に脚本家はそうしたセリフを脚本に含めることができる。
「Wattpadに投稿されるストーリーには、人々が人生やスクリーン上、あるいは想像力の奥深くで愛するものが反映されている。だからWattpadの作品は常に文化との関連性があるのだ」とラウ氏は語る。
「つまるところそれによって作品を作る過程であれこれ推量しなければならない作業が軽減され、書籍化、映画化、テレビドラマ化、デジタル放送化によっ...
「ストーリーテリングブランドのWattpadが扱うのは、エンターテインメント業界の核とも呼べる“人々を夢中にさせるオリジナルストーリー”だ。
業界全体を動かす唯一のもの、すなわちストーリー以外のものは扱わない」と、Wattpad創設者の一人で同社CEOのアレン・ ラウ氏は語る。
オンラインプラットフォームのWattpadは、この10年で世界中の熱心なユーザー4500万人を取り込んできた。これだけの数のユーザーが、約50の言語でアップされた3億もの小説を読んだりシェアしたりしている。 そこで費やされる時間は毎月150億分にも上り、トラフィックの90%は、モバイルデバイスからによるものだ。
ラウ氏によれば、10年前の創設したばかりのWattpadが目指していたのは、「世界中の人々にそれまでとは違った方法でストーリーを体験してもらうこと」であった。
現在では、Wattpadから生まれたストーリーがgifファイルやビデオクリップなど様々なフォーマット で、映画や連続テレビドラマなどあらゆるスク リーンで展開されている。Wattpadの作品にはどれもその愛好家(ファン)機能があり、自由に感想を書き込むことができる。こうしたデータからは作品の中でファンが最も気に入ったセリフも分かるため、映画化やテレビシリーズ化される際に脚本家はそうしたセリフを脚本に含めることができる。
「Wattpadに投稿されるストーリーには、人々が人生やスクリーン上、あるいは想像力の奥深くで愛するものが反映されている。だからWattpadの作品は常に文化との関連性があるのだ」とラウ氏は語る。
「つまるところそれによって作品を作る過程であれこれ推量しなければならない作業が軽減され、書籍化、映画化、テレビドラマ化、デジタル放送化によって作品に命が吹き込まれたとき、その成功が確かなものになる」と彼は付け加える。
作品の映像化を管理するWattpad Studiosは、エンターテインメント業界が最も人気の高い作品に狙いを定めることができるよう手助けするために今年設立された。
Wattpad Studiosを率いるアロン・レヴィッツ氏は、パートナー企業の社長アシュリー・ガードナー氏とともに新たな取り組みとして、Wattpad Stars プログラムと呼ばれるWattpadで最も人気の高い作家や最も影響力の大きいインフルエンサーの管理を行っている。またブランドソリューションズチームを率いるスザンヌ・スペンス氏は、ジョリビー、ジェネラルエレクトリック、AT&T、モンデリーズ、ユニバーサルピクチャーズなどのブランドと協働し、Wattpad Starsに代表される自社の資産を使ってこれらブランドのプロモーションを行う。
「Wattpad Studiosのような部門は、エンターテインメントの将来を示している。それによってユーザーがコンテンツを生み出すオンラインの世界と、オフラインのエンターテインメントの世界が結ばれるからだ」とラウ氏は語る。
ラウ氏はWattpad Studiosの設立について「企業として自然な進化だった」と説明し、こうした取り組みは「Wattpadが新旧メディアのギャップを埋めるエンターテインメント企業となるための礎となるものだ」と述べている。
フィリピンの無料放送局TV5はそれを実証したパートナー企業のひとつだ。TV5では2014年にWattpad Presentsと銘打ったドラマシリーズをゴールデンタイムに初めて放送し、現在、第5シーズンに突入している。TV5はWattpadで発掘した40のストーリーを使って200話分のドラマを制作した。
世界的に見て「The Kissing Booth」のような作品は映画向きとされる。パラマウントピクチャーは現在、Wattpadの人気作家であるアナ・トッド原作の「After」の脚本を制作中である。トッド氏がWattpadで発表した小説シリーズは書籍化されてベストセラーとなり、32言語に翻訳されている。
先ごろ、Wattpadの作家に向けたグラフィックノベル、トラベルダイアリー、ファッションブログなどを作成できるマルチメディアオプションの利用が可能になった。また、既存作品にメディアを挿入することで、物語の世界により入り込んだエクスペリエンスを提供することができる。ラウ氏によれば、毎日10万以上の動画、画像、gifファイルなどが小説作品に追加されているという。マルチメディア展開のパートナーには、ソニーピクチャーズ、コカコーラ、DCコミックスのVertigoブランド、YouTubeセレブリティのグレース・ヘルビッグ氏などが名を連ねる。
Wattpadにとって最も大きなの課題の一つが、24時間絶えず投稿される小説作品をくまなく調べて、そこから最高のストーリーを見つけ出すことのできる独自のアルゴリズムを構築・展開・管理することだ。
「テレビやエンターテインメント全体の未来は、間違いなく、信頼できるデータと洞察に裏付けされた作家たちのコミュニティによって牽引されるだろう」とラウ氏は語る。
Wattpadではアジアからの作品投稿が増えている。「ユーザー数は世界中で増加している」とラウ氏が言うように、新規ユーザー登録は毎日絶えることがない。フィリピンでは先月の作品シェア回数が800万を超えた。「こうした驚くべき成長は、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどにも広がってる。東南アジアでは先月だけで200万を超える作品がシェアされた」とラウ氏は付け加える。
若者はもはや小説を読まないという考えは明らかに間違っている。「Wattpadコミュニティの大多数は30歳以下の若者である。若者たちはエンターテインメントを求め、また自分自身も参加することを望んでいる。Wattpadが提供するモバイルエクスペリエンス、シリアルエクスペリエンス、ソーシャルエクスペリエンスは、この年齢層のニーズに合っているのだ」とラウ氏は語る。
Wattpadのユーザーは、なにも新しい作品を読みたがっているだけではない。Wattpadプラットフォームには「クラシック」セクションがあり、ジェーン・オースティン、シャーロット・ブロンテ、ウィリアム・シェイクスピア、オスカー・ワイルド、チャールズ・ディケンズなどの作家の作品を読むことができる。たとえば「高慢と偏見(Pride and Prejudice)」は、Wattpadでこれまでに500万回読まれている。
「Wattpadで「高慢と偏見」が人気を集めた一因には、インフルエンサーの影響がある。アナ・トッド氏は著作「After」の中で「、高慢と偏見」などいくつかの古典作品について言及した。そのため、トッド氏 のファンたちがこぞってWattpadで古典作品を読むようになったのだ」とラウ氏は説明する。
ラウ氏自身も熱心な読者であるが、彼が古典作品を大切にするのには別の理由もある。
「Wattpadの創設当初、私たちが最初にアップした作品の中には、Project Gutenbergから入手したパブリックドメインの作品もあった。そうした古典作品のおかげで、Wattpadは初期コミュニティメンバーを獲得することができた。それが今では、毎月4500万以上のユーザーが利用するまでに成長している。だからこそ今後も古典作品を大切にしていきたい」。
2016年9月30日に公開